カナダという英語圏の国の中にあるフランス語圏の州であるケベック。歴史の中で定着してカナダ国民には当たり前のことと思われますが、日本に置き換えて考えると、不思議な場所だなと感じます。
例えていうなら、日本の中の一つの県の公用語が英語みたいな感じです。
ケベックについて、深く掘り下げて紹介します。
カナダのケベックには今でもフランスがある
カナダは、ご存知の通り、北米にある広大な敷地を持つ国です。
カナダでは公用語が2つあります。英語とフランス語の二つが認められているのです。しかし、カナダの東部にあるケベック州の公用語は1つだけです。フランス語です。
ケベックで生まれ育った人は、英語圏の国籍を持ちながら、話せる公用語はフランス語だけという方も多いようです。
カナダのケベック州はとても広い
カナダ自体もとても面積が大きい国(ロシアに次いで世界第2位)です。ケベック州はその中でもカナダで2番目に広い州です。なんと日本列島の約4倍の面積があります。
カナダの州都はケベックシティ
人口は東京23区より少し少ない848万人(2019年)です。州都はケベックシティーですが、最大の都市はモントリオールです。ケベック州の人口の約半分がモントリオールに集中しています。
一つの国の中に、二つ国があるかのような状態が生まれたのは、そもそもの歴史が関係しています。1543年に、フランスの探検家ジャック・カルティエがフランス国王の名を受けてセントローレンス湾周辺に到達し、その地をヌーヴェル・フランスと名付けたことに始まります。
その後、現在のケベックシティーとモントリオールを中心に、植民地として開拓が拡大していく中で、北米大陸でイギリスとフランスの覇権争いが続きました。その後、イギリスが占領し、1763年のパリ条約でイギリス領となりました。
しかし、フランス人入植者がケベックに居続けたこと、イギリス人の入植者が増えなかったことで、のちのイギリス議会で、ケベック法により、フラン色が残ったのです。ケベック州はいまだにフランス語だけが公用語とされています。
カナダのケベック州が独立運動
歴史の経緯からも想定されることですが、ケベックにはカナダから分離独立を目指す活動があります。
1960年代には分離独立を求める人たちが集まり、ケベック党が結成されています。1967年には、フランス大統領がモントリオールで「自由ケベック万歳」と発言し、さらに活動は盛り上がり、その後住民投票(反対60%)が行われています。
その後も、カナダ新憲法の制定に反発があったり、ケベック解放戦線によるテロがあったり、1995年には独立に関する住民投票が再度行われる(結果は反対50.6%)など、その気配はいまだに治ってはいません。
カナダのケベックに観光旅行にいく前にチェックしておきたいこと
カナダに観光旅行に行くなら、その前にチェックしておく必要なことがあります。
寒さ対策できてますか。
カナダケベックの気候
カナダ自体が日本の北海道よりも北に位置しています。
北海道(札幌市)が北緯43度3分43秒です。ケベックは土地が広いので、州都ケベックシティーで比較してみると、北緯46度49分0秒です。(州都ケベックシティやモントリオール、オタワは、ケベック州の最南端です)
明らかに北に位置します。よく地図を見るとわかりますが、実は、北海道の最北端の稚内市が北緯45度24分56秒なので、やはりケベックシティの方が北に位置しますので、ケベックが寒い場所であることがわかります。
カナダケベックの天気・気温
日本の約4倍の面積があり、その南端エリアに州都や大きい都市があります。ケベック州は土地が広く、気候では、3つのエリアに分けて考えられます。
観光旅行に行かれる人は、南エリアのオタワやモントリオール、そしてケルベックシティーへの観光が多いと思います。観光名所で有名なナイアガラの滝は、まさにカナダの最南端でアメリカとの境にあります。
南エリアの天気は、大陸性気候で、四季があり、高温多湿になると言われますが、実際には、ケベックシティの最高気温は、年間でも30度を超えることはありません。逆に真夏の最低気温は15度を下回りますので、日本と比べると、明らかに寒いです。
冬になれば、最高気温がマイナスになる月が4ヶ月前後の間続きますので、11月から3月までの間は、北海道と比べても寒いことを覚悟しておく必要があります。
中部エリアと北エリアは、当然ながらさらに寒くなります。特に北エリアは、極地気候(ツンドラ)となり、冬の気温は平均マイナス25度、夏の気温は平均5度しかありません。もし中部エリア・北エリアに観光旅行に行かれるのなら、夏でも寒さ対策を強力にする必要があります。
カナダケベックの紅葉は最高に美しい
カナダの国旗のデザインにはサトウカエデ(sugar maple)の葉が使われているのは知ってる人も多いと思います。
英語では、メープルリーフ旗(the maple leaf flag)と呼ばれています。その名の通り、ケベックシティからナイアガラの滝まで続く、メープル街道が有名な名所となっており、この時期に合わせて観光する方は、紅葉の美しさに圧倒されるでしょう。
紅葉の最適シーズンは、9月下旬から11月ですが、ギリギリだと葉が落ちている可能性もありますので、ご注意を。
また、前述の通り、日本から見るとかなり寒いので、防寒対策をしっかりと準備するようおすすめします。10月になると、すでにかなり寒いです。10月のケベックシティは、最高気温が10度ほどにしかなりませんし、最低気温は限りなく0度に近づきます。11月は完全に冬の天気です。月の半分は、雨か雪です。
カナダケベックの治安は
カナダは世界レベルでは、比較的治安が良いとされている国です。ただし、それは世界レベルであって、日本比較ではないことに注意する必要があります。
また、日本と大きく違うことが大麻(マリファナ)が国として合法化されていることです。カナダも住みやすい国とされていますが、犯罪率は日本の5倍以上(外務省データ)とされています。
そして、留学生の中のクチコミを中心に情報を集めて考察したところ、治安が良いとされるカナダですが、バンクーバーやトロントでは、そうとは言えないようです。特にバンクーバーにその傾向が強いようです。
ケベック州のケベックシティやオタワについては、否定的な意見はなく、日本とあまり変わらない治安とする口コミが多いです。ただし、モントリオールについては、治安は悪くないという声がありますが、都会だからなのか、スリは普通にいるので注意すべきということです。
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