イスラエルの首都問題をわかりやすく解説|テルアビブ移転?

イスラエル 首都問題 わかりやすく

イスラエルの首都ってエルサレム?テルアビブ?

このイスラエル首都問題は70年前のイスラエル建国時から、解決されていない問題です。

そしてこれからも解決する見込みはありません。

こちらの記事を読んでくださいますと、「イスラエルの首都問題」についてご理解いただけます。

それでは、イスラエル留学経験者のAが解説します。

目次

イスラエルの首都問題をわかりやすく解説

そもそもなぜイスラエルの首都問題が起きてしまったのか。

首都問題に至るまでの、現在のイスラエルパレスチナ領土問題の流れをざっくり説明します。

イスラエル首都問題|イギリスの矛盾した外交

フセイン=マクマホン協定

1914年の第一次世界大戦まで、オスマン帝国がパレスチナ(西岸地区を含む現在のイスラエル)を統治していました。

そのころのパレスチナに住むアラブ人は、オスマン帝国からの独立を求めていました。

オスマン帝国と敵対関係にあるイギリスは、これを利用します。

「アラブ人は、イギリスに協力したら、戦争後に独立を承認する」

つまり、パレスチナの地は、アラブ人のものになるということです。

そして1918年に、パレスチナでの独立を達成しました。

バルフォア宣言

ヨーロッパで、迫害を受け続けてきたユダヤ人。

シオニズム運動(ユダヤ人のパレスチナへの故郷再建運動)が盛んになりました。

戦争前から、ユダヤ人の資本家が、パレスチナに土地を買い移り住み始めました。

これを利用したのが、当時、財政が厳しかったイギリスでした。

1917年戦争終盤、イギリスは、ユダヤ人国家をパレスチナに作ることを認める宣言を出します。

イギリスは、裕福なユダヤ人による資金援助を狙っていました。

サイクス=ピコ協定

イギリス・フランス・ロシア間で結ばれた、オスマン帝国領の分割に関する秘密協定とされています。

この協定で、パレスチナは国際管理地域にするとされました。

つまり、パレスチナは、誰のものにもならないということ。

しかしこれでは、先の2つの協定と宣言の内容とは、矛盾します。

イスラエル首都問題|第二次世界大戦後

5年間に及んだ、ユダヤ人大量虐殺ホロコースト。

これによりシオニズム運動は、加速しました。

パレスチナに移り住む、ユダヤ人が増加しました。

この時はまだ、パレスチナは、イギリスの統治領でした。

増えるユダヤ人移民に、アラブ人は対抗します。

内戦状態になり、イギリスは、パレスチナの統治権国際連合に委ねました。

1947年国連によるパレスチナ分割案

パレスチナをユダヤ人国家と、パレスチナ人(もともと住んでいたアラブ人)国家に分け、エルサレムは国際管理下におくという内容です。

ユダヤ人側は受諾し、1948年にイスラエル建国を果たしました。

しかし、パレスチナ人と周辺アラブ国家は、それを認めませんでした。

こうして、イスラエルとパレスチナの対立は、深まりました。

イスラエルの首都問題

エルサレムが首都だと主張するのに、大きな理由は2つあります。

イスラエル首都問題|エルサレムはユダヤ人のもの

4000年も昔から、このパレスチナにはユダヤ人が、住んでいました。

バビロン捕囚や、ローマ侵攻により、故郷パレスチナの地を追われたユダヤ人。

彼らは、2000年間も国を持つことのない難民でした。

エルサレムは、3つの宗教の聖地と言われますが、元々はユダヤ教から始まっています。

イエス・キリストはユダヤ人です。

エルサレムにあるイスラム教のモスクは、ユダヤ教の神殿の上に、後から建てられたものです。

さらに、イスラム教の聖典コーランには、エルサレムの記述は、どこにもありません。

だからユダヤ教こそ、全ての原点であるとし、ユダヤ教の国イスラエルの首都は、エルサレムだとするのです。

パレスチナ人の主張

ただ、400年続いたオスマン帝国の時代から、ここに住んでいたパレスチナ人。

ローマ侵攻が役2000年前にあって、そこからユダヤ人は、パレスチナには住んでいなかったわけです。

そんな何千年前のこと、今更持ち出されても困りますよね。

1967年第三次中東戦争の勝利

この戦争の勝利でイスラエルは、エルサレムを含むヨルダン川西岸地区を全統一しました。

戦争に勝ったのだから、ここはイスラエルの土地といって何が悪い!という主張です。

ユダヤ人にとって大切なエルサレムを勝ち取ったため、ここを首都と主張しています。

ちなみに、どんなに穏健派やパレスチナに友好的なイスラエル人でも、イスラエルの首都がエルサレムであることに、疑問を持つ人に私は今まで会ったことがありません。

当人のイスラエル人(ユダヤ人)は問題だと、思っていません。

確信を持ってエルサレムが首都だと、言っています。

イスラエルの首都問題|首都移転?

イスラエルの大親友アメリカのトランプ大統領は、エルサレムをイスラエルの首都と認めました。

これに続き、大使館を大都市テルアビブから、首都とするエルサレムに移すという国もありました。

勿論、パレスチナ人や周辺アラブ諸国の反イスラエルは、加速しました。

エルサレムを首都と認めた国に対して、石油の価格をあげるとの声明もありました。

イスラエルと友好関係を築く日本。

政府としては、エルサレムを首都と反対はしていませんが、認めてもいません。

大使館は、基本的には首都にありますが、イスラエルの日本大使館はテルアビブにあります。

まとめ

イスラエルの首都問題。

首都は、エルサレムだと「主張」というよりは、「確信」を持っているイスラエル人。

対するパレスチナ人や、他国の反対の声。

首都問題だけでなく、イスラエルを取り巻く問題は、今後も解決しそうにありません。

イスラエル留学体験者のAがお伝えしました。

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