「ヨーロッパ旅行にはビザが必要?」「ETIASの申請はもう始まっている?」と迷っていませんか。
日本のパスポートを使い、観光や知人訪問などを目的にシェンゲン圏へ短期滞在する場合は、原則としてビザは不要です。
ただし、滞在できるのは、シェンゲン圏全体で「あらゆる180日間のうち最大90日間」までです。
90日を超えて滞在する場合や、就労・留学など観光以外の目的で渡航する場合は、国や目的に合ったビザが必要になることがあります。また、英国などシェンゲン圏外の国では、別の入国制度が適用されます。
この記事では、日本国籍者のヨーロッパ旅行を対象に、ビザが必要になる条件、90日ルール、ETIASと英国ETA、ビザ申請の基本的な流れを解説します。
日本人のヨーロッパ旅行にビザは必要?
日本のパスポートを使い、観光や知人訪問などを目的に短期間旅行する場合、シェンゲン圏では原則としてビザは不要です。
ただし、「ヨーロッパならすべて同じ条件」ではありません。シェンゲン圏、英国、アイルランドなどで入国制度が異なるため、訪問国ごとに確認してください。
シェンゲン圏への観光は原則ビザ不要
日本国籍者が観光目的でシェンゲン圏に短期滞在する場合は、原則としてシェンゲンビザを取得する必要はありません。
フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、スイスなどを複数回る場合も、シェンゲン圏全体で滞在日数を数えます。
シェンゲン圏には、EU加盟国だけでなく、スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインも含まれます。
滞在できるのは180日間のうち最大90日間
ビザなしで滞在できる期間は、シェンゲン圏全体で「あらゆる180日間のうち最大90日間」です。
国ごとに90日間滞在できるわけではありません。
たとえば、フランスに30日、イタリアに30日、スペインに30日滞在すると、シェンゲン圏での滞在日数は合計90日です。
滞在する各日から180日間をさかのぼり、その期間内のシェンゲン圏での滞在日数が合計90日を超えないように計算します。
ヨーロッパ旅行でビザが必要になるケース
日本国籍者でも、滞在期間や渡航目的によっては、長期滞在ビザや滞在許可などが必要になります。
主なケースは次のとおりです。
・シェンゲン圏に90日を超えて滞在する
・現地で就労する
・大学や語学学校などへ長期留学する
・ワーキングホリデーを利用する
・研究、研修、家族滞在などを目的に渡航する
・短期滞在でも報酬を伴う活動を行う
・シェンゲン圏外で、ビザが必要な国へ行く
必要なビザは、国、滞在期間、活動内容によって異なります。短期間の出張、研修、ボランティアなども観光とは扱いが異なる場合があるため、渡航先の大使館や領事館で確認してください。
シェンゲン圏とヨーロッパは同じではない
シェンゲン圏は、域内の国境管理を原則として廃止している地域です。
2026年時点では29か国が参加しています。ただし、ヨーロッパにあるすべての国がシェンゲン圏に含まれるわけではありません。
英国やアイルランドなどはシェンゲン圏外です。シェンゲン圏での滞在条件とは別に、それぞれの国の入国条件を確認する必要があります。
英国旅行にはETAが必要
日本国籍者が英国へ観光などの目的で短期渡航する場合、通常はビザではなく、渡航前にETAと呼ばれる電子渡航認証が必要です。
ETAはビザではありません。また、ETAを取得しても英国への入国が保証されるわけではなく、到着時に入国審査を受けます。
英国を含む周遊旅行では、シェンゲン圏の入国条件だけでなく、英国ETAも忘れずに確認してください。
アイルランドは独自の入国制度を確認する
アイルランドはシェンゲン圏に含まれません。
英国やシェンゲン圏のビザ・渡航認証が、そのままアイルランドで有効になるとは限りません。日本のパスポートで渡航する場合も、滞在目的や期間に応じてアイルランド政府の最新情報を確認してください。
ETIASはビザではなく渡航認証
ETIASは、シェンゲンビザを免除されている国の旅行者を対象とした、渡航前の電子認証制度です。
日本国籍者も、制度開始後に対象地域へ短期渡航する場合は、原則としてETIASの取得が必要になります。
ただし、2026年7月時点ではETIASはまだ始まっていません。EUは2026年第4四半期の運用開始を予定していますが、具体的な開始日はまだ発表されていません。
現時点でETIASを申請する必要はありません。申請を受け付けているように見せる非公式サイトや、代行手数料を請求するサイトには注意してください。
ETIASとビザの違い
ETIASは、ビザを免除されている旅行者が渡航前に取得する認証です。
一方、ビザは、ビザ免除の対象外となる国籍の人や、長期滞在、就労、留学などを目的とする人が申請する入国許可です。
ETIASを取得しても、90日を超える滞在や就労が認められるわけではありません。
ヨーロッパ旅行に必要なパスポートの条件
シェンゲン圏へ短期旅行する場合、一般的には次の条件を満たすパスポートが必要です。
・シェンゲン圏を出国する予定日から3か月以上有効である
・原則として発行から10年以内である
・氏名や旅券番号が航空券の予約情報と一致している
国や経由地によって追加条件が設定される場合があります。残存期間が短い場合は、旅行前にパスポートを更新しておくと安心です。
ビザが必要な場合の申請手続き
ビザが必要な場合は、主な滞在国の大使館、領事館、または指定された申請センターで手続きを行います。
一般的な流れは次のとおりです。
1.渡航先と渡航目的から必要なビザを確認する
2.大使館や申請センターの予約を取る
3.申請書と必要書類を準備する
4.書類提出、指紋採取、面接などを受ける
5.審査結果を待つ
6.発給されたビザの氏名、期間、入国回数を確認する
必要書類の例は次のとおりです。
・有効なパスポート
・ビザ申請書
・証明写真
・航空券または予約確認書
・宿泊先の予約確認書
・旅行日程表
・資金証明
・海外旅行保険の証明書
・渡航目的を証明する書類
必要書類、申請時期、手数料は、国やビザの種類によって異なります。旅行会社や非公式サイトの情報だけで判断せず、大使館、領事館、申請センターの公式案内を確認してください。
ヨーロッパ旅行前に確認すること
出発前には、次の項目を確認しましょう。
・訪問国がシェンゲン圏に含まれるか
・過去180日間のシェンゲン圏滞在日数
・パスポートの残存有効期間と発行日
・ビザ、ETIAS、英国ETAなどの必要性
・帰国便または次の国へ移動する航空券
・宿泊先の予約情報
・滞在費を証明できる書類
・海外旅行保険
・乗り継ぎ国の入国・通過条件
複数国を旅行する場合は、国ごとに確認表を作ると見落としを防ぎやすくなります。
ヨーロッパ旅行のビザに関するよくあるQ&A
日本人のヨーロッパ旅行にビザは必要ですか?
日本のパスポートを使い、観光目的でシェンゲン圏に短期滞在する場合は、原則としてビザは不要です。
ただし、滞在期間はシェンゲン圏全体で「あらゆる180日間のうち最大90日間」です。英国などシェンゲン圏外の国では別の入国制度が適用されます。
フランスとイタリアに90日ずつ滞在できますか?
できません。
フランスとイタリアはどちらもシェンゲン圏に含まれるため、両国を含むシェンゲン圏全体で、あらゆる180日間のうち最大90日間です。
乗り継ぎだけでも滞在日数に含まれますか?
シェンゲン圏へ入域して入国審査を受けた場合は、乗り継ぎでも滞在日数に含まれる可能性があります。
乗り継ぎルートや空港によって扱いが異なる場合があるため、航空会社と関係国の公式情報を確認してください。
ETIASはもう申請できますか?
現在、ETIASはまだ運用されておらず、申請手続きは始まっていません。
EUは2026年第4四半期の開始を予定していますが、具体的な開始日は発表されていません。開始前にはEUから案内される予定です。
ETIASを取れば90日を超えて滞在できますか?
できません。
ETIASはビザではなく、ビザ免除対象者向けの渡航認証です。ETIASを取得しても、シェンゲン圏での短期滞在は、原則としてあらゆる180日間のうち最大90日間です。
英国旅行にもETIASが必要ですか?
英国はETIASの対象地域ではありません。
日本国籍者が英国へ短期渡航する場合は、原則として英国のETAを渡航前に取得します。英国とシェンゲン圏を周遊する場合は、それぞれの手続きを確認してください。
パスポートの有効期限はどのくらい必要ですか?
シェンゲン圏では、原則として出国予定日から3か月以上の残存有効期間が必要です。また、パスポートは原則として過去10年以内に発行されたものでなければなりません。
経由国や訪問国によって条件が追加される場合があるため、旅行前に各国の公式情報を確認してください。
90日を超えてヨーロッパへ滞在する場合はどうしますか?
滞在する国の長期滞在ビザや滞在許可が必要になる場合があります。
申請方法は、留学、就労、家族滞在などの目的によって異なるため、滞在予定国の大使館や領事館で確認してください。
複数のシェンゲン加盟国を回る場合、どの国へビザを申請しますか?
ビザが必要な国籍の場合は、原則として旅行の主な目的国へ申請します。主な目的が同じで複数国を巡る場合は、最も長く滞在する国が申請先になります。
各国の滞在日数が同じ場合は、最初に入国する国へ申請するのが基本です。最終的な申請先は、該当国の大使館や申請センターで確認してください。
まとめ
日本国籍者が観光目的でシェンゲン圏へ短期旅行する場合は、原則としてビザは不要です。ただし、滞在できるのはシェンゲン圏全体で「あらゆる180日間のうち最大90日間」です。
90日を超えて滞在する場合や、就労・留学など観光以外の目的で渡航する場合は、目的に合ったビザが必要になることがあります。
2026年7月時点でETIASはまだ始まっておらず、申請は不要です。一方、英国へ短期渡航する場合は、原則として英国ETAを事前に取得します。
旅行前には、訪問国、滞在日数、パスポートの有効期間、ビザや渡航認証の必要性を、外務省、EU、英国政府、各国大使館などの公式情報で確認しましょう。
